中学生・定期試験や内申点のポイント

定期試験勉強する中学生

仙台では10月の中旬に秋休みとなり、多くの中学生が、その直前の金曜日に通知表を持ち帰ってきます。1学期(前期)の定期試験、授業や提出物を振り返り、2学期に生かしていくことになります。

前回までは小学生についてのコラムシリーズ、「仙台での学区の選び方」、「早期の英語学習」、「母語(国語力)の養成」、「算数と数学」「学習習慣」についてお送りしていました。

\前回までのコラムはこちら/

  1. 「仙台での学区の選び方~中学校の進学実績~」(こちらをクリック)
  2. 「小学生の英語学習~早期英語学習のメリット・デメリット」(こちらをクリック)
  3. 「小学生の母語(国語力)の養成」(こちらをクリック)
  4. 「小学生の算数・数学」(こちらをクリック)
  5. 「小学生の学習習慣」(こちらをクリック)

今回からは中学生に内容をシフトしていきます。引き続きよろしくお願いいたします。

目次

仙台での定期試験について

前回まで、小学生をイメージしたテーマ選びをしてきました。今回からは中学生へシフトしていこうと思います。最初のテーマとして、何か良さそうなものはありますか?

初回は……「定期試験」ということになりますか。宮城・仙台で中学時代を過ごし、かつ県内で公立高へ進学、ということを予定する場合、定期テストやその先にある「内申点」を意識せざるを得ませんからね。

仙台で定期試験の重要度が高い理由

宮城・仙台だからこそそれらの重要度が高い、という部分があるのですか?

「ありまくり」です(笑)その理由は大別すると二つあります。

中学3年間の内申点が均等に評価される

一つ目は、内申点の「三年間均等加算」です。内申点を入試の際にどう扱うか、ということについては都道府県ごとにある種の裁量権が認められています。中3時のものだけを利用したり、学年ごとの比重を変えたり、といったことが可能です。

宮城県の場合は、3年分を均等に加算することになっていますので、中学入学直後から入試に向けての準備が始まる、と言っても過言ではありません。

\ 中1・中2から入試対策をする /

\ 小6の秋から中学準備講座を受ける /

 

一部の保護者から、「内申点制度が生徒管理のツールとして利用されている。現場の先生のための『三年間均等加算』だ」というような話を聞きますが、そのあたりについてはどうですか?

ええ…、それについてはノーコメントで(笑)

実際のところ、ご指摘のような側面が内申点制度にあると言われても仕方がないように私も感じます。この問題は生徒の視点から捉えることが大切ですね。この仕組みが主要因となり、中学生になった途端に「いい子にならねば」という意識が高まり過ぎることで言動が委縮する、というようなことがあるとすれば、それはダイバーシティ的な発想の対極にある話だと思います。

中3時のものだけを利用する仕組みに変えたとして、いきなり中学の現場がスクールウォーズ化する、などということは無いと思いますし、少なくとも中1・2時は失敗を恐れずいろんなことに挑戦できる制度であって欲しいと考えています。

そのように制度が変わった場合、ちょっといやらしい言い方になるかもしれませんが、親側からすると「内申点が大事なんだから中1からやりなさい!」というセリフが使えなくなって、定期テスト対策へと子どもを向かわせる強制力が下がるような気もします。そのあたりはいかがでしょう?

私はそうした心配は杞憂に終わるのではないかと思っています。「中3から頑張ればいいや」と考える生徒が現れても不思議ではありませんが、では「中3から頑張って間に合うか?」と考えると、そんなことはあり得ませんよね。

特に英・数は中1からの学習が縦積みになって発展していく科目ですから、結局のところ、最初からしっかり取り組まねばならないことに変わりはありません。制度変更の目的は「生徒の心理的負担の軽減」ということだと思いますし、案外、全国最多であることがしばしば話題になる不登校やいじめといった事象の件数にもポジティブな影響が出るのかもしれませんよ。

なるほど。わかりました。ただ現状では「三年間均等加算」ですから、そこへの対応は必須ですね。それでは、宮城で内申点が重要となる、二つめの理由は何でしょう?

宮城県公立入試の難易度

それは「公立入試問題の易化」ということです。各公立高校や学科によって入試本番の得点と内申点の比重が異なるのですが、いわゆる進学校では本番7、内申3という比率が標準的です。これを字面だけでみれば、「本番重視ね」という感じになるのですが、公立入試が全国的にみても易しい問題になっていることで、「実質的な比率」が上昇してしまうのです。

「易しい」→「点差がつきにくい」→「内申点の実質比率上昇」というような考え方でよいですか?

その通りです。特に上位校において顕著にみられる現象だ、ということで理解してください。

ご存知のとおり、内申点は学力のみの指標ではありません。学校生活全般が評価されたうえでの数字です。学校側からみてある種の「やんちゃな」行動が目立った場合、あるいは何らかの理由で長期の欠席をしたようなとき、受験前の段階で内申点の比較をすると、その高校の受験者平均に対して二十~三十点程度のハンデを抱えてしまう、という事態がしばしば発生します。

こうした生徒が本番での逆転を見込むとき、入試問題が易しいというのはその可能性を小さくする方向へ働くわけです。いまの宮城県の公立入試は、上位校受験者にとって「逃げ切り易く、逆転しにくい」ものだと考えてもらっていいと思います。

\通知表でハンデを抱えたときのナンバースクール合格可能性について動画を見る/

\ 内申点の上げ方について相談する /

これは難しい話ですね。真面目にコツコツやった生徒がメリットを享受する、ということを否定するわけにもいきませんし、だからといって内申点を理由に、学力と関係無いところで受験校のランクを下げざるを得ない状況も健全だとは思えませんが……。何か妙案はありませんか?

では、その話題から次回はスタートしましょうか。

わかりました。次回もよろしくお願いします。

次回分を、以下に続けました

前回は宮城県における「定期試験の重み」というテーマから始めて、現在の公立入試制度が抱える問題点まで話が広がりました。特に、宮城の公立入試が全国的にみても易しい内容であることが、内申点の実質的な比重を大きくしてしまう、ということでしたね。

そうです。3年間コツコツ内申点を積み上げた子にとっては入試問題が平易であることが有利に働く一方で、中3あたりになって勉強に目覚め、実力的には十分上位校を狙えるところまで伸びた子にとっては、学力差が点差になって表れにくい問題は逆転合格を難しくさせるものでしかありませんから、内申点を理由に志望校のランクを落とさざるを得ない、という話をしました。

「コツコツ型」も「覚醒型」も救われる仕組みというのは難しいのでしょうか。

現行の入試制度への提案

いや、そんなことはないと思います。現状の仕組みのままでも、その運用を変えるだけである程度状況を変えることができると思います。

どのあたりを変えるのですか。

いまの入試制度では「共通選抜」と「特色選抜」という二段階選抜が行われています。学校によって枠毎の定員を決められることになっていて、たとえば仙台二高であれば、まず定員の90%(288人)を共通選抜で確定させ、残りの10%(32人)を特別選抜枠で選ぶ、という形になっています。合格者を決めるにあたって、「二本の物差し」を使って判定をする、ということです。

県内の上位校の場合、共通選抜枠の選考方法はほぼ同じで、内申点は3年間均等積み上げ式(実技教科2倍)、学力検査と内申点を7対3の割合で評価するスタイルです。特色選抜の方には高校毎に違いがあります。一高や二高は共通選抜枠と合否基準はほぼ同じ、三高は学力検査と内申点の比率を8対2に変更、宮一は逆に特色選抜枠では内申点の比率が上昇します。

その仕組みになって数年経ちますが、受験生の間でそれほど話題にならないのはなぜでしょう。

それは鋭い指摘だと思います。確かに、受験生が特色選抜枠の違いを精査したうえで志望校を決定している、という状況ではありませんね。現行の入試制度、共通・特色の二段階選抜は機能不全に陥っていると言っても過言ではないように思います。

要因として考えられることの一つ目は、特色枠の「狭さ」です。さきほど二高の例を紹介しましたが、一高・宮一も特色枠は定員の10%です。受験生に意識させるには、最低でも30%程度は必要でしょう。

二つ目の要因は、「合格発表時の扱い」です。発表時、誰が特色選抜枠で合格したのかということについては非公表になっていて、それは得点開示の段階で、個人毎にも教えてもらえません。これでは受験生自身が「特色選抜枠があったからこそ合格できた」ということを実感できませんし、それにともなう口コミ的なものも広がりません。

なるほど。合格発表時には受験生の意識から枠の話は消えているわけですね。

そうなんです。最後の要因として「柔軟性の不足」も指摘させてください。宮城県において、仙台一高・二高の二校はまさに最上位校であり、県内の公立高校を象徴する存在なわけです。現在、この二校の入試において特色選抜枠はある意味「無視」されているに等しい状況です。特色枠は限りなく小さく、選抜方法も共通枠とほとんど同じだからです。まずこの二校が率先して「こんな受かり方もアリだよ」という多様性を示さなければ、それに追随する高校は現れないでしょう。

中学生がある段階で突然勉強に「目覚めた」ときに、進もうと思えばどの高校でも選択できる道は残して欲しいように思いますね。

まったく同感です。学校や先生に意図的に反発して内申点が足りない、という生徒はかなり少数派です。入試制度についての知識が無かっただけ、あるいは男子にありがちですが、シンプルに幼かっただけ、という理由で、内申点で損をするという事態は普通に起こります。子どもが子どもらしく過ごしたせいで取り返しがつかなくなるような制度は「異様」ではないかと思います。成長や発達への配慮も含めて、現行制度の柔軟な運用を望みます。

この話は……誰にお願いすればいいのでしょうか(笑)。子どもをもつ我々としては、現行制度に上手に対応しつつ、よりよい方向へ変革が進むことを期待しましょう。今回もありがとうございました。

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