小学生・母語(国語力)の養成について(仙台で小学生を育てる)

小学生 国語学習

塾の先生をしていると、国語に関する相談が圧倒的に多くなります。他の科目と比べて、自身では対策をイメージしにくいことが要因かと思います。

小学生についてのコラムシリーズ、前々回の「仙台での学区の選び方」、前回の「早期の英語学習」に続いて、今回は「母語(国語力)の養成」についてお送りします。

目次

最近の小学生の国語力

前回は、早期英語教育の是非について考えるなかで、「むしろ母語のスキルアップが重要だ」、というお話をうかがいました。いわゆる「国語力」の養成ということになりますが、国語を苦手にされるお子さん、最近増えていませんか?

そうですね、それを実証できるようなデータは持ち合わせていませんが、国語力への意識や関心が年々高まっているのは間違いないと思います。

どんなことからそれを感じるのですか?

私が国語を担当することが多いのもあるのでしょうが、保護者の方からの相談内容として、国語に関するものが圧倒的に多いと言えます。相談のきっかけやタイミングは人それぞれですね。幼少期の発語が遅かったことであったり、子どもが書いた作文を目にしたことであったり、あるいは国語だけ成績が思うように伸びないことであったりと、問題意識の始まり方は十人十色のようです。

国語が苦手な小学生の共通点

国語に悩みを抱えるお子さんに何か共通点のようなものはありますか?

入塾時に三者面談をさせて頂くことが多いのですが、そこでのやりとりだけでかなりのことは伝わってきます。

テストや授業を受けなくても苦手はわかると?

そうなんです。国語が苦手なお子さんの場合、口数が少ない、問いに対する答えが断片的、答えが出てくるまでに時間を要する、目を見て話すのが苦手、といった特徴を複数抱えていることが多いです。それから、そんなお子さんを見かねて保護者の方が「〇〇〇よね」という形で代わりにしゃべってしまうこともあります。

\ 国語力について相談する /

読解力とコミュニケーションスキルがリンクするイメージでしょうか。

その通りです。漢字などの知識系問題は別にして、長文読解で要求される力は「出題者もしくは作者との対話力」と言うことができます。長文で書かれている内容を理解したうえで問われていることを理解し、頭に思い浮かんだことに適切な言葉をあて、文章化して相手に伝える。これは国語のテストにおいてもリアルな対話においても共通して必要なスキルです。

\ 国語の対策をする /

国語力を高める手段

だとすると、国語力を高める手段としての「対話」、ということも考えられそうです。

会社を立ち上げて十五年になりますが、その頃と比較すると、「大人っぽい言葉で、大人と対等に話せる子」は本当に減りました。

変な言い方になりますが、「子どもが幼くなった」という印象です。これには色々な要因があると思います。たとえば核家族化が進んだことで祖父・祖母世代の古い日本語に触れる機会が減ったことや、いわゆる「家電(いえでん)」への依存度が下がったことで、電話応対の場における「よく知らない大人とのやりとり」が減ったことも影響しているかもしれません。電話でのやり取りは敬語を学び、実践する場としては貴重でしたから。

親や先生といった存在はどうですか?

そういった大人と子どもの関係が「友達化」したことが、会話の場において使われる日本語の質を変えた可能性はありますね。

それは耳の痛い話です(苦笑)。

国語力への遺伝と環境の影響

「遺伝率」というワードが話題になった時期があるのですが、言語を操る力の高低に関しては、遺伝的資質ではなく、やはり生後の環境が大きく作用しているようです。親はもちろんですが、子どもと日常的に関わる大人が自身の言語的影響力の大きさを自覚しつつ話しかけたり言葉を引き出したりすることが大切です。

読解力向上の処方箋としては定番の読書についてはどうですか?

国語力を高める手段として多くの方が考えるのは、「読書量の増加」ということだと思います。確かに、国語が得意なお子さんの方が多くの本を読む傾向があるのは間違いありません。

ただ、その一方で、ある程度の年齢に達したお子さんが、突然読書好きになって本を読み漁るようになった、という話はほとんど聞いたことがありません。読書というのは趣味の一種であり、そこに面白みを見いだせない子にいくら勧めても、実際に趣味レベルまで定着するのは難しいことです。

幼少期からどのように本と関わってきたか、周囲の大人に読書習慣があるか(家に本棚があり、それが機能しているか)など、読書の定着にはいくつかのハードルがあるように思います。

情報収集の手段として、あるいは娯楽の一種としても、今後は「紙媒体」の活用は難しくなりそうです。

その通りですね。ただ、読書で得られるものは語彙だけではありません。映像とは異なり、想像力や共感力を高める役割も担っています。新聞での情報収集においても、読みながら自分なりにものを考える「余白」のようなものがあります。

スマホで時流をつかみつつ紙媒体で「自頭を鍛える」、そんなバランスが理想的かもしれませんね。今回もありがとうございました。

\ 国語の読解力を高める /

\ 国語の表現力を高める /

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